『あすなろ通信』2011年10月第162号

発行
高松あすなろの会
主な記事

日弁連 人権擁護大会シンポジウムに参加して

2011年10月6日()〜7日()、高松市において、32年ぶりに香川県で日本弁護士連合会「人権擁護大会」が開かれました。初日6日のシンポジウムは、弁護士以外の一般参加もできるため、地元の弁護士さんよりお誘いを受け、第2分科会の『「希望社会」の実現 〜豊かさへの社会保障をデザインする〜』に、当会より6名参加いたしました。

第1部「当事者の声」として、3名の発表がありました。そのうちの一人、歯科衛生士の清田真子さんの報告に私は大きなショックを受けました。

それは、子供の「口腔崩壊」の報告でした。1歳8ヶ月〜10歳(多くは4〜5歳)の子供の事例(口の中)が写真で次々と紹介されていきました。乳歯20本中十数本(ほとんど全部の歯)が虫歯になっており、中には何本もの歯が根元まで溶けてなくなっている子もいました。

歯が溶けてなくなる……? この信じがたい事実に私は大きな衝撃を受けたのです。虫歯というものは、進行すればするほど、ひどい痛みを生ずるものです。治療もしてもらえず、溶けてなくなってしまうまで、ずっと我慢したのでしょうか。おそらく「歯みがき」の習慣も親から教わってないかもしれません。

当初は、そこまで放置した親に対し、とても腹立たしい思いが湧き上がりました。愛情を持って子供を育てられないのなら、親の資格などないとさえ思いました。

ところが、次にその子の親の口腔内写真を見ると、子供と同じように、その親も多くの歯が溶けるか抜けるかしてなくなっていました。親子の口腔内比較写真が写し出されましたが、同じ位置の歯がなく、非常によく似ていたのです。

清田さんの解説では、口腔内の状態は遺伝することはないそうですが、生活習慣によってよく似た症状となったようです。子供の虫歯だけを放置するのなら育児放棄かもしれませんが、親も自分の痛む虫歯を放置しているのは、お金がなくて治療に行けないためなのでしょう。

これを見て、子供の口腔崩壊は、親だけの責任ではなく日本社会の問題だと思いました。ここまで日本の貧困は深刻になっていたのです。

貧困の第一の犠牲者は子供たちです。私たちは、子供たちの未来のために、豊かで希望の持てる社会をつくっていく義務があります。

虫歯が治療できず、歯が根元まで溶けてなくなる子供たちを、もうこれ以上生み出さない社会にしなければなりません。

  • (山地)

体験談『今までの人生とこれからの生き方』 〜前編〜

  • Y. K.

私がパチンコを始めたのは高校生の時でした。当時県外の高校へ通っていたため、原動機付き自転車の免許も取らせてくれて、同時に50cc原付バイクも親に買ってもらいました。一人っ子の私は、親が何でも言うがまま買ってくれていました。そのバイクで友達数人と隣町のパチンコ店まで行きました。その時、3,000円の元手が8,000円になり、帰りに一緒に行った友達数人と食事に行きました。簡単にお金が増え、大当たりが来たときの快感が忘れられず、私はパチンコにはまってしまいました。高校卒業後、会社勤めになってからは、ますますパチンコにのめり込んでいきました。給料を全部使い果たした後は、親に泣き付いてお金をもらっていました。

借金が始まったのは、その当時勤めていた会社で受けた自己啓発の訓練がきっかけでした。その訓練の中で「自分の行動には責任を持たなければならない」と言われ、「自分がギャンブルで負けた金は、親に立て替えてもらったりするのではなく、自分で借金してでも自分で始末しなければならない」と勝手な解釈をしてしまったのです。それからは、パチンコで負けると、銀行から借りて過ごしていました。

結婚してからも、パチンコは止まらず、負けては銀行や信販会社で借金をし、負けては借りるを繰り返していました。こうなると、借金の返済も苦しくなってきて、返済の不足分は親に嘘をついてお金をもらっていました。結局、妻にパチンコや借金のことがバレたらまずいので、借金を親に肩代わりしてもらって完済しました。しかし、自分で稼いで払ったお金ではないので、すぐにまた借金が始まりました。

結婚して1年くらい経ったころ、妻は私に私の母の悪口を言い始めました。母はこと細かにうるさく妻に小言をいっているのが原因のようでした。母が妻に小言を言うのは、私の借金が原因だと思いましたが、私は、妻にパチンコや借金のことを内緒にしていましたので、私が原因だとは言えず、妻が私の母の悪口を言っても、あまり相手にしていませんでした。

ある日のこと、これまで妻の悪口に辟易していた私は、ついに妻の悪口に耐え切れなくなり、ついカーッとなって、妻に暴力を振るってしまいました。そして、家に帰りたくない気持ちが次第に大きくなっていきました。仕事が終わってもすぐに家に帰らず、パチンコに行き閉店までパチンコをし、夜遅く帰宅して、かんにさわるイヤな事を妻に言われたら、カーッとなって暴力を振るいました。ひどい時は、頭の髪の毛をつかみ、振り回したりしていました。

1991年、父が亡くなりました。私のパチンコと借金は続き、母に何度も頼み込み、完済してもらっていました。最後の頃には、母は私にお金を渡すのが恐ろしくなったのか、「一緒に行く」と言われ、銀行まで一緒に行き払ってもらいました。それでも、すぐにまた借金を繰り返していました。

2000年、妻が家を新築したいと言い出しました。当時私と妻の給料合わせて手取りで月40万円位あったので、私も払っていけるだろうと思い、特に反対もせず、妻がどんどん話を進め、2300万円の住宅ローンを組みました。妻に内緒にしている私の借金は、困ったら母に頼めばいいという甘い考えもありました。

妻が新築をしたがったのは、妻の弟が新築して、それに負けたくないという気だったのだろうと後で思いました。

2004年、私の母が亡くなりました。頼りにしていた「後ろ盾」だった母を亡くし、パチンコでできた借金はどんどん増えていきました。

2007年、妻の母親が突然、「孫(私の長男)が欲しいという車(スカイラインGT-R、600万円)を買ってやった。私が150万円出したから 残り450万円は、あなたたちがローンを組んで払ってやりなさい。親だから払ってやるのがあたりまえだろう」と言われました。何でまたそんなに高価な車を、息子のいうまま買ってやったのか、妻の母に対し憤慨しましたが、これまで妻の母には、いろいろと援助してもらっており、私は何も言い返すことができませんでした。

新たな借金ができたため、夜も別の仕事をして収入を増やすしかありませんでしたが、私は当時勤めていた会社がアルバイト絶対禁止になっており、バレると首になるかもしれないので、妻が昼夜のダブルワークをすることになりました。その代わり私は、妻がしていた家事全てを引き受けることに決めました。仕事が済むと私はパチンコ店にも寄らず、

  1. まっすぐ家に帰り家族の食事を作り、
  2. 妻が夜遅く帰ってきてから妻の食事の用意をし、
  3. 妻に先に風呂に入ってもらい、
  4. 最後に私が風呂に入り、
  5. 風呂から上がったらその日に着ていた衣類を洗濯し、
  6. その洗濯物を浴室内に干して寝る、

という生活になり、寝る時間も遅くなっていき、いつも深夜2〜3時ごろになっていました。今までは遅くても12時前には就寝できていたため、睡眠時間が少なくなり、会社でも無意識のうちに居眠りをしてしまい、会社にも迷惑を掛けてしまいました。
まさに、ここから地獄の生活が始まりました。

ある日、夜バイトから帰ってきた妻に「こんな生活続けていたらボロボロになるよ、もうヤメにしない?」と言うと、「借りたものやから払わなければいけない」と言われ、「あなたは何をしてくれたん? 私が帰ってくるまで寝てるだけじゃない!!」とすぐ言われました。私は、「おまえが帰ってきて、先に風呂入ってもらい、最終洗濯して寝てるんだ。眠たくなるのでつい居眠りしてしまう、それのどこが悪いんだ!!」と、つい言い返してしまいました。すると妻に、「元々は誰が悪いん? あんたが借金作ったんが一番悪いんやろ!!」と言い返され、私は「最初から、うち(当時勤めていた会社の事)はバイトが禁止になっているからできないと言っていただろう、それをお前がバイトすると言うから、家事をすると言ってそれで良いと言ったのは、おまえだろ!!」と言い返しました。

それから、同じようなやり取りを数回した後、どうしてもガマンできなくなり ゲンコツで妻の頭を数回、叩いてしまいました。やはり、妻の言葉の暴力に耐えきれず、暴力をふるってしまいました。もう、ここらが限界かなと思ったのと、業者の方から一括返済を求められたのも有り、それから、数ヶ月後の2010年5月高松あすなろの会へ相談に行きました。

高松あすなろの会は、以前勤めていた会社の上司にすがる思いで相談したところ、紹介されたのです。

その当時の家族構成は、私と妻、長男(24歳)、長女(21歳)で、夫婦共働きをしており、長男は一定の職にもつかず、長女は看護師になるため4年制の短期大学に通っていました。その頃の生活状況は、夫婦共働きをしていましたが、給料日が来ると支払いに追われ、支払いできない所も何ヶ所かあり 住宅ローンの支払いも、2〜3ヶ月遅れている状況でした。借金は私で、銀行及び信販会社4〜5社、長男の使用しているGT-Rの自動車ローン、私が過去に乗っていた車のローンの残りがありました。妻にも、生活費の補填分で作った借金があり、銀行及び信販会社2〜3社ありました。

今年もやります! 恒例の年会!

  • 高松あすなろの会 貧困・多重債務・自殺対策ネットワーク香川 2011年望年会 南ファミリー劇団貸切公演

毎年大好評の年会を、今年も「南ファミリー劇団」貸切公演で開催いたします。今年は、「貧困・多重債務・自殺対策ネットワーク香川」との共催で行います。(詳細は別紙PDF文書『高松あすなろの会 貧困・多重債務・自殺対策ネットワーク香川 2011年年会 南ファミリー劇団貸切公演』もしくは年会概要を参照ください)

  • 南ファミリー劇団のみなさん(昨年撮影)

ご家族、お知り合いの方の参加も大歓迎! お誘い合わせのうえ、ふるってご参加ください。参加ご希望の方は、12月14日()までに高松あすなろの会事務所までご連絡ください。

年会概要

  • 一昨年の公演より
日時
2011年12月17日()

高松あすなろの会事務所出発
午後5時
開幕
午後6時

新道しるべまで直接お越しの方には駐車場完備。(飲酒運転厳禁)

会場
南ファミリー劇団の店 芝居茶屋 新道しるべ
電話
0877-75-5351
所在地
〒769-0311香川県仲多度郡まんのう町十郷買田494
集合場所・お問合せ先
高松あすなろの会事務所
電話
087-897-3211
所在地
〒761-8081香川県高松市成合町559番地15

参加ご希望の方はご連絡下さい。

日程
  1. 第一部 涙と笑いの人情芝居 長谷川伸原作 時代人情剣劇「関の弥太っぺ」
  2. お食事・ご歓談
  3. 第二部 豪華絢爛舞踊ショー

貸切公演ならではの記念撮影もできます。(カメラはご持参下さい)

参加費
3,500円お芝居・弁当つき。

南ファミリー劇団

今より30年前、家族7人で結成されたボランティア劇団、大衆演劇の劇団でありながら、旅回りはせずに地元香川に根付き、今では劇団員18人全員が三世代の家族という大変ユニークで珍しいプロ劇団に成長。演目の多くは『親子愛・夫婦愛・家族愛』など、今の日本人が忘れかけている情愛をテーマにした人情芝居。

各県市町の社会福祉団体・教育委員会よりの公演依頼も多く、福祉活動だけではなく社会教育にも貢献。また海外での公演も12回を超え、地域文化振興、民間サイドの国際親善大使としても活躍。またチャリティ公演や、老人ホーム・障害者施設への慰問公演なども行ない、社会的、文化的に高く評価されている劇団です。

多重債務・生活再建の勉強会

調停・過払い金返還勉強会に加えて、破産手続きの勉強会など多重債務全般のほか、生活するうえでの困りごと「なんでも勉強会」です。

会員の方は、どなたでも参加できます。足が遠のいている方もお気軽にどうぞご参加ください。

  • 毎週月曜日(月曜休日の場合は翌火曜日)午後7時00分〜午後9時00分

「継続は力なり!」毎週かかさず参加しましょう。

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