大手サラ金業者「武富士」の会社更生手続に異議あり 命の過払金を返せ! 武井一族の責任追及を

  • (寄稿)

平成22年10月31日、東京地方裁判所は、大手サラ金武富士の会社更生手続開始決定をしました。しかし、この武富士の会社更生手続については、次のとおり重大な問題があります。

その1 会社更生法を悪用するな

株式会社には多数の取引先があり、また多くの従業員を雇用していますから、いきなり消滅すると社会に深刻な影響を与えます。そのため経営困難ではあるが再建の見込みのある株式会社について、事業の維持・更生を目的として会社更生手続を進めることができます。

武富士の負債約4300億円のうち過払債務が約1700億円を占めます。これは現在明らかになっている過払いのみの金額です。潜在的には約2兆円、約200万人の過払債権者がいるといわれています。

過払債務とは「不当利得返還債務」です。不当利得とは法律上の原因がない利得ということです。通常の株式会社の営業で、会社の経営が傾くほどの不当利得が発生することはありません。会社更生法は、武富士のような多数の人の多額な過払い債務を切り捨てて、生き残らせるために制定されたものではないはずです。

その2 中立・公正な管財人の選任を

会社更生手続においては、管財人が、債権の認否、財産の評定、更生計画案の作成などを行います。管財人は、会社経営者等の責任追及も行いますので、会社から独立した公正な立場にある人でなくてはなりません。

ところが、東京地裁は、武富士の代理人である弁護士を管財人として選任しました。武富士の代理人弁護士は、武富士の経営者から相談を受けて会社更生の申立を受任し、会社更生の成功により武富士から報酬を受け取ることになるはずです。このような立場にある代理人弁護士が公正に管財業務を行えるはずがありません。武富士代理人と管財人とでは、利益相反が生じることが明らかです。

その3 武井一族の責任追及を

武富士は、サラ金業界に君臨しながら多くの違法行為をしてきました。創業者武井保雄と二男健晃は倒産の主因である不当利得債務を生み出し続けました。

武富士は過払債権を失権させ、自社のみ更生手続により復活しようとしているのです。武富士の苛酷な取立により命を奪われた借主もいるのです。過払金は長年取立に苦しめられてきた借主の生活再建などに役立てられるべき、いわば「命の過払金」です。武井一族が武富士から吸い上げた資産を放出させ、過払金を全額返還させるべきです。

その4 裁判所の都合が優先されている

裁判所は、商工ローンロプロ(旧日栄)をかつて会社更生させた「実績」があるとして、武富士の代理人弁護士を管財人に選任してしまいました。

しかし、武富士の会社更生手続は、200万人・2兆円の「命の過払金」を法律上消し去るという重大な事案です。手続きが円滑に進めばよいというものではありません。手続の公正が絶対的に必要です。裁判所には説明責任が求められます。

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