クレジット・サラ金・ヤミ金や生活に困ったら高松あすなろの会 - 『あすなろ通信』2013年2月第169号 -

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『あすなろ通信』2013年2月第169号

発行
高松あすなろの会
主な記事

生活保護費引き下げ、日本の将来は…?

1月29日、政府は2013年度予算案で生活保護の生活扶助基準を3年間で総額670億円削減することを決めました。削減幅は平均6.5%(最大10%)で、この基準引き下げによって受給額が減る世帯は96%にのぼるということです。

現行生活保護法が制定された1950年以来、生活保護基準が下げられたのは、2003年度(0.9%)と2004年度(0.2%)の2回だけで、今回は前例のない大幅引き下げです。

あわせて政府は、就労支援の強化、医療扶助の適正化など「生活保護制度の見直し」によって450億円を削減することを決めたと報じられています。

しかし、一方において、20兆円規模の緊急経済対策を打ち出し、公共事業等による財政出動を行うとしながら、生活保護基準の引き下げによって生活保護利用者をはじめとする低所得者層に対して負担増(実質的な増税)を強いるのは、政策そのものが根本的に矛盾しています。

今回の引き下げは、「デフレで物価が下がっているのに、生活保護基準は下がっていないから下げるべき」という、「デフレ論」によることが理由として挙げられています。

しかし、別表(次頁)のとおり、物価指数を下げているのは、パソコン、ビデオレコーダー、テレビ、カメラなどで、生活保護世帯のその約半数を占める高齢者世帯には実質縁遠いものが中心です。生活扶助費使途の大半を占めるであろう食料、被服費などはほぼ横ばい、光熱・水道費は逆に上がっています。

低所得者ほど家計の中で食費や光熱費の占める割合が高く、家具等や教養娯楽費については逆の傾向があることからすると、低所得者層の生活はデフレであってもむしろ厳しくなっているのが実態です。

また、今回の大幅引き下げは、生活保護を受給していない世帯にも影響があることが指摘されています。保育、医療、介護などの減免措置は、生活保護費を基準にしているため、保護費が下がることにより減免の「対象外」となる人たちがでてくる可能性があるからです。政府は、こうした批判の高まりを受けて、他制度への波及をできるだけ回避する方向を示唆していますが、まだ不透明です。

生活保護を受給していない人は対岸の火事と静観されているかもしれません。国家予算は、毎年25兆円の歳出超過で負債を増やし続けている以上「生活保護費の引き下げはやむをえない」と考えられている方もいらっしゃるでしょう。また、芸能人の家族が生活保護を受給していた問題などで「不正受給はけしからん」と思い、それが一人歩きして生活保護受給者全体に対しバッシングの感情をお持ちの方もいるかもしれません。

しかし、今回の大幅な引き下げは、それら多くの生活保護を受給されていない方の生活にまで及んでくる可能性があるのです。

生活保護基準の引き下げは、国民生活全体の最低生活ラインを下げ、暮らしを支える「岩盤」を壊しかねないものなのです。

消費者物価指数 年平均の推移(指数)
10大品目総合食料住居光熱・水道家具・家事用品被服及び履物保健医療交通・通信教育教養娯楽諸雑費
2002年平均1019710194.1121.8101.698.3101.4105.311295.4
2003年平均100.796.8100.993.6118.299.7101.6101.5106110.496.2
2004年平均100.797.7100.793.7114.299.5101.6101.3106.7108.896.8
2005年平均100.496.8100.694.4111.6100.2101.2101.6107.4107.997.1
2006年平均100.797.3100.697.8109.3101100.6101.9108.2106.398
2007年平均100.797.6100.498.6107.5101.6100.9102108.9104.998.7
2008年平均102.1100.1100.6104.5107.1102.1100.6104.1109.7104.399.1
2009年平均100.7100.3100.4100.2104.8101.2100.599110.6101.798.7
2010年平均100100100100100100100100100100100
2011年平均99.799.699.8103.394.499.799.3101.297.996103.8
2012年平均99.799.799.5107.391.799.798.5101.598.294.5103.5
消費者物価指数 年平均の推移(指数) 教養娯楽耐久財のうち下落幅が大きい品目
テレビビデオレコーダーパソコン(デスクトップ)パソコン(ノート型)カメラ
2002年平均--1185.72208.6920.4
2003年平均--876.61565.6801.7
2004年平均--638.41119655.9
2005年平均446.4335.6448.4800588.2
2006年平均332.1269.8377.1626.4459.4
2007年平均260.3234.6306.3459.2318.8
2008年平均205.8191.6237.2281.6224.7
2009年平均146152.7146.6145.6151.8
2010年平均100100100100100
2011年平均69.16060.17672
2012年平均66.147.247.263.557.7

自殺予防シンポジウム 自殺予防を地域で取り組むために ―嗜癖問題と自殺予防―

日時
2013年3月10日()午前10時30分から午後1時15分
会場
〒760-8522香川県高松市幸町1番1号 香川大学教育学部6号館
日程
午前10時30分
開会
午前10時35分
基調講演「アディクション問題と自殺予防」
松本俊彦
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
  • 自殺予防総合対策センター副センター長
  • 薬物依存研究部診断治療開発研究室長

佐賀医科大学医学部卒業。精神科医。国立横浜病院、神奈川県立精神医療センター、横浜市立大学医学部附属病院などを経て、2012年より現職。著書に『自傷行為の理解と援助―「故意に自分の健康を害する」若者たち』(日本評論社)、『薬物・アルコール依存症からの回復支援ワークブック』(金剛出版)『中高生のためのメンタル系サバイバルガイド』(日本評論社)、翻訳に『自殺リスクの理解と対応―「死にたい」気持ちにどう向き合うか』(金剛出版)ほか多数。

午前11時10分
シンポジウム
  1. 「失職して行き場を無くすまで」
    天竺誠
    AKKかがわ
    香川県断酒会
  2. 「希望」
    村上亨
    香川ダルク
  3. 「多重債務問題から取り組むギャンブル依存と自殺予防」
    山地秀樹
    高松あすなろの会
  4. 「学校における自傷行為の理解と対応」
    近藤章子
    紫雲中学校
午前12時10分
休憩
午前12時30分
討論
松本俊彦
コメンテーター
後藤見知子
さぬき市民病院
コーディネーター
午後1時15分
閉会
参加費
無料
定員
150名
お問い合わせ先
香川県臨床心理士会事務局 電話 087-891-2167

自殺予防には、心の危機とアルコール依存や薬物依存、それにともなう多重債務や自傷行為などの嗜癖問題とのつながりにどのようにアプローチするかという視点がかかせません。

そこで、地域で身近に生じているこれらの問題について、自分のことや家族のこととして取り組むという意識を拡げ、さらに各関係団体との連携を深めることを目的にシンポジウムを開催いたします。

多くのみなさまのご参加をおまちしております。

高松あすなろの会 財政危機突破カンパのお願い

1983年12月23日、わずか13名の涙の中から生まれた「クレジット・サラ金被害者の会=高松あすなろの会」は、30周年を迎えることになりました。

発足当時、サラ金は現代のヤミ金のような取立てをしており、「サラ金地獄」という言葉が生まれ社会問題になっていました。その後、信販業者の集団クレジット被害事件、クレジットカード乱発によるカード破産問題や割賦販売の次々契約問題、「目ん玉売れ!腎臓売れ!」の商工ローン問題、システム金融や都(1)(トイチ)業者らによるヤミ金問題など、新しい問題が次々と増え、近年は貧困を根絶する運動にも取り組んでまいりました。

30年にわたるクレサラ運動により、私たちは改正貸金業法を勝ち取りました。その結果、サラ金業者は激減しました。香川県知事登録の貸金業者は、かつて最盛期の1985年(昭和60年)には264件あったようですが、2013年2月現在の登録は6件です。四国財務局登録で高松本社の貸金業者もわずか3件となっており、3件とも銀行系または信販系の業者で、いわゆる「サラ金」業者の登録は無くなりました。全国展開の大手サラ金業者の香川県内支店も減り、そのほとんどが無人化され有人店舗はめっきり減っています。

貸金業者数が減れば、それだけ被害数も減ってきます。私たちの相談現場は、いま大きく様変わりしています。2003年頃のヤミ金被害がピークのころは、事務所はいつも相談者が絶え間なく訪れ、電話も頻繁にかかっていましたが、今はそれらが激減しています。しかし、クレ・サラ・ヤミ金被害が根絶したわけではありません。

現在、高松あすなろの会は、財政危機で今後の存続が困難な状態です。このままでは、困っている人がまだたくさんいるのに、なくなく閉会せざるをえないかもかもしれません。

役員会でもあらゆる方策を講じて、この危機を乗り越えていきます。財政を少しでもよくするため、皆様のカンパ等のご協力をぜひよろしくお願いいたします。

多重債務・生活再建の勉強会

調停・過払い金返還勉強会に加えて、破産手続きの勉強会など多重債務全般のほか、生活するうえでの困りごと「なんでも勉強会」です。

会員の方は、どなたでも参加できます。足が遠のいている方もどうぞお気軽にご参加ください。

「継続は力なり!」毎週かかさず参加しましょう。

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